こんにちは!
はたらく栄養の「ようこ」です。EPAやDHAという言葉はよく聞きますが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか?本日は、このEPAやDHAが主成分のひとつであるフィッシュオイルについて紹介します。
INDEX
フィッシュオイルのサプリメントの効果が凄いって本当?
フィッシュオイルのサプリメントに含まれている主な成分は、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。EPAとDHAは魚の油に含まれており、体内で生成することはできません。またEPA・DHAは熱に弱いため、毎日魚を食べる習慣がある人でも、食事から十分な量を摂取することはなかなかむずかしいといえます。
魚が苦手な人や毎日魚を食べることがむずかしい場合など、EPA・DHAの不足を補うにはサプリメントが手軽で効率がよいといえます。
フィッシュオイルの知られざる効果とは?
フィッシュオイルに含まれるEPA・DHAはどちらも体内で合成できないため、食事から摂る必要があります。この二つはフィッシュオイルの成分として一緒に語られることが多いのですが、EPAとDHAの働きはそれぞれ異なります。
1|EPAの血液サラサラ効果
EPAは血液や血管の健康維持に欠かせない成分であることは、これまでの研究で明らかになっていて、EPAは医薬品にも使用されています。具体的には、中性脂肪値の上昇を抑制する、血液をサラサラにして動脈硬化を予防する、高血圧を予防する、などの効果が期待できます。
2|EPAのスポーツへの効果
近年、EPAとスポーツの関係についても研究されています。EPAが血液の状態を良好にすることから、酸素や栄養を効率よく全身へ運ぶことができるため、持久力を上げたり、心臓への負担を軽減することが期待されます。またEPAには抗炎症作用があることから、運動後の痛みの緩和や筋肉や関節の損傷を緩和する効果があるといわれます。
近年は眼科領域での疫学研究も進んでいます。EPAの摂取によってドライアイの予防やスポーツ選手の動体視力のアップにも効果が期待されています。
3|DHAの脳への効果
1960年代の後半、DHAについて研究がされるきっかけとなったのは、「日本の子供の知能指数が高いのは、日常的に魚を食べる習慣があるためではないか?」と考えられたことでした。DHAは脳や神経に多く存在し、母乳にも含まれています。このことから、脳が成長するときにとても重要なものであると考えられています。
また成人でも脳の活性化が期待できることから、認知機能に対しての効果についても研究されています。
フィッシュオイルの効果まとめ
- 血液や血管の健康維持
- 運動機能の維持や向上
- 脳の発達や脳の活性化
効果を最大化!フィッシュオイルの摂取方法を解説
フィッシュオイルの効果を最大限に引き出すためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
1|フィッシュオイルを摂るのは朝がいい
フィッシュオイルは摂取する時刻によって効果の違いがあることが、マウスを使った実験で明らかになっています。朝食時にフィッシュオイルを摂取すると、夕食時に摂取した場合よりも、血液と肝臓の中性脂肪の量が有意に下がります。それは血液中のEPAとDHAの濃度が朝食後の方が高くなり、脂質代謝が改善されていることを表しているといえます。
この効果についてのメカニズムはまだ全てが明らかになっていませんが、人での効果を検証する研究が行われています。
2|毎日続けて摂る
フィッシュオイルは毎日摂ることが理想的です。日本人の食事摂取基準ではEPA・DHAを一日1g以上摂ることが勧められています。EPA・DHAを1g摂るために必要な魚の目安は、お刺身なら5~6切れ、焼き魚や煮魚なら70g(切り身1枚)、魚缶詰なら50gくらいです。
魚にはEPAやDHAだけでなく、良質なたんぱく質やカルシウム、その他の栄養素も含まれているため、初めは少しずつでも、毎日の食事に取り入れるように工夫してみましょう。
3|サプリメントを取り入れる
毎日の食事で十分に魚が摂れない場合は、フィッシュオイルのサプリメントを取り入れてみましょう。多くのサプリメントが売られていますが、選ぶときにはEPAとDHAの含有量だけではなく酸化を防ぐ成分が配合されていることもチェックしましょう。
継続して摂るためには、サプリメントの形や大きさ、1回の服用量などの確認も大切です。フィッシュオイルには独特の臭いもあるため、購入前にサンプルなどで、飲みにくくないかを確認できるとよいでしょう。
フィッシュオイルを正しく摂取してさらに効果を引き出そう
フィッシュオイルの効果を高めるために、気をつけたいポイントについて説明します。
1|健康のためにEPA/AA比に注目する
AAとはアラキドン酸という不飽和脂肪酸のひとつです。EPAやDHAと同様に、体内では作ることのできない必須脂肪酸です。肉や卵、牛などの動物性食品に多く含まれていますが、このAAとEPAのバランスがとても大切だということがわかっています。
EPA/DHA比とは、それぞれの血液中の濃度の比率を表しますが、EPAの比率が低い場合は内臓脂肪がつきやすく、心臓や血管系の疾患にかかりやすい傾向があります。
大切なのはバランスです。肉類も魚類も、いろいろな種類を広く摂取することが大切です。EPA/AA比は病院で検査をすることができます。気になる場合はかかりつけの医師に相談してみましょう。
2|フィッシュオイルの酸化を防ぐ
フィッシュオイルはその構造が不安定で、酸化しやすいという特徴があります。「青魚は足が早い(腐りやすい)」といわれるのはそのためです。生で食べる方がフィッシュオイルを摂取するには効率がよいといえますが、いつもお刺身でというわけにもいきません。
フィッシュオイルを効率よく摂るためには、いくつか調理にコツがあります。まず魚を焼く場合、直火で焼くとフィッシュオイルが燃焼し酸化が進みます。そこで抗酸化力の高いオリーブオイルを表面に薄く塗ってから焼くことで、フィッシュオイルを酸化から守ることができます。また魚の下に玉ねぎなどの野菜を敷いてオーブンで焼くと、魚から出たフィッシュオイルを野菜とからめてソースとして摂取することができます。
煮魚にすると煮汁にフィッシュオイルが流れ出すため、煮汁も食べられるように味付けを工夫しましょう。鍋やスープ煮は汁ごと食べることができるので適した調理法といえます。和風の煮魚は煮汁に塩分が多いので、注意が必要です。
3|魚に含まれる水銀に注意
現在は、漁業や食品保管の技術向上と配送の時間短縮などにより、日本全国でさまざまな魚を食べることが可能となっています。魚の種類によっては、自然界に存在する水銀が食物連鎖によって多く含まれているものがあります。一般的な普通量を摂取することに問題はありませんが、極端に多量に摂取したり、小さな子供と妊婦さんには注意が必要です。
水銀を多く含んでいる可能性がある魚の種類は、メカジキ、マカジキ、クロマグロ、メバチマグロ、キンメダイ、サメ・クジラの仲間などがあげられます。これらの魚を食べることが危険なわけではありませんが、一度に多量に食べたり、毎日続けて食べるような食べ方をしないようにしましょう。
4|サプリメントを選ぶポイント
フィッシュオイルのサプリメントを選ぶときには、チェックしたいポイントがいくつかあります。サプリメントは種類によって、含まれているEPAとDHAの量が違います。日本では、EPAとDHAを合わせて一日に1gが摂取目標とされています。普段の食生活でどのくらい魚を食べているかを考えて商品を選びましょう。
フィッシュオイルは酸化しやすいため、酸化防止剤が配合されているものを選びましょう。サプリメントの中にはEPA・DHAだけではなく、セサミンやアスタキサンチンなどフィッシュオイル以外の成分が配合されている商品もあります。普段の食事から摂りにくい成分を一緒に摂れることも、サプリメントのメリットのひとつです。
サプリメントには粉末や錠剤、カプセルなど形状もさまざまです。また独特の臭いがある場合もあります。継続して摂取するためには飲みやすさも重要なので、サンプルがある場合はぜひ試食してみましょう。
フィッシュオイルで毎日の健康をサポートしよう!
フィッシュオイルの血液を良好な状態に保つ効果によって、生活習慣病の予防・改善から、運動機能の維持・向上、脳の活性化と、その効果は全身に期待できます。バランスの良い食事に加えてフィッシュオイルのサプリメントを用いることで、食事からは摂りにくいEPAやDHAを効率的に補うことができます。5年後、10年後の美容と健康のために、フィッシュオイルを活用してみましょう。